オーストラリアのニオイガモにおける東西の遺伝的分化は後期更新世ナラボー平原での多様化を示唆

East–west genetic differentiation in Musk Ducks (Biziura lobata) of Australia suggests late Pleistocene divergence at the Nullarbor Plain

ニオイガモ(Biziura lobata)は、オーストラリアの固有種であり、南オーストラリアの広大な乾燥地帯、ナラボーNullarbor平原によって地理的に隔離されている2つの個体群が存在する。我々はニオイガモ個体群、粗いスケール(東、西オーストラリア)、詳細なスケール(東西各4地区)の遺伝的変異を研究した。オーストラリア東西間のmtDNA制御領域に有意な遺伝的構造(ΦST=0.747)、一つの核のイントロン (ΦST=0.193)と8個のマイクロサテライト遺伝子座(FST=0.035)を発見した。対照的に、東部オーストラリアのカンガルー島とその近辺の本土地域間には小さな遺伝的構造があった。ビクトリアのウェンドウリー湖のニオイガモの小型個体群は、カンガルー島や東オーストラリア本土から異なっており、恐らく遺伝的浮動が近親交配と小個体群サイズによって激化したようである。この観測された東西対mtDNA系統が遺伝的に近距離であることは、彼らが更新世の終了付近で多様化し、中央オーストラリアでは、湿潤と乾燥状態の中間に頻繁にシフトした時期だと特徴付けられることを示唆する。我々の遺伝的結果は、個体群の分岐とMathewsの亜種分類を確証し、ニオイガモの東西個体群は現在隔離されていることを確認した。