フォークランド諸島におけるカモ2種の個体数が不均衡な個体群での遺伝子流動と雑種化

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Gene Flow and Hybridization between Numerically Imbalanced Populations of Two Duck Species in the Falkland Islands

種間の雑種化は動植物で、特にカモ類では普通のことである。雑種化に貢献した要因の一つとして、同所的2種の一方の個体数が少ない場合、配偶者選択が制約されることが示された。Hubbsの原理、自暴自棄仮説は、このような状況下で稀な種は、より異種と配偶しがちになるだろうと言明する。ここで我々は、南米南部を通じて広範囲に混群となっているカモ2種間の雑種化を報告する。キバシコガモ(Anas flavirostris)とキバシオナガガモ(A. georgica)は南米大陸では豊富であるが、フォークランド諸島ではキバシコガモがキバシオナガガモより10倍程度数で勝る。8遺伝子座(mtDNAと7核イントロン)を用いてベイジアン割り当て検定、関連性解析と組み合わせて、キバシコガモ×キバシオナガガモのF1雑種メスとそのヒナでオス親がキバシコガモであることを同定した。我々のフォークランド諸島における標本数は少ないが、アルゼンチン3個体群からのより多くの標本数による合祖解析coalescent analysisでは雑種化あるいは浸透性交雑の明白な証拠を特定できなかった。一方、これがフォークランド諸島における単一で稀な事象かを決定ためには追加データが必要となり、本結果が、個体数の不均衡個体群は雑種化の誘因となるという自暴自棄仮説への更なる支持を与える。