ハクガン西部極地域個体群の大陸間の遺伝子流動

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Intercontinental Gene Flow among Western Arctic Populations of Lesser Snow Geese

高い移動性鳥類種の空間的遺伝構造の定量化は、環境状態が変化している最中、個体数と分布を評価する場合に、個体群の人口学的、遺伝学的独立性を予測する上で重要である。西部極地域のハクガン(Chen caerulescens
caerulescens
) は、空間的個体群遺伝構造と、雌雄の繁殖地、越冬地への忠実性の相対的な寄与の評価にとって有益な事例を提供する。ロシアのウランゲリ島とカナダのバンクス島で繁殖するハクガンの、両親から受け継いだマイクロサテライト遺伝子座と母系で受け継ぐmtDNA塩基配列を、繁殖期は地理的に重複し、越冬期は異なる個体群間の遺伝子流動を推定するために、解析した。マイクロサテライト遺伝子座の対立遺伝子頻度の均一性とは対照的に、ミトコンドリアDNAハプロタイプの遺伝子頻度は著しく相違する。合祖シミュレーションは、個体群間の遺伝子流動の割合と方向は、雌雄間で非対称で高い可変性を明らかにした。我々の結果は、越冬地における個体群の空間的遺伝構造と人口統計学的独立性の重要性を強調し、オスを媒介したウランゲリ島北部、南部、バンクス島の個体群間の遺伝子流動が実在していた。メスを媒介したウランゲリ島南部からバンクス島への高い遺伝子流動は共通地域で越冬する個体群の交換可能性を示唆する。逆に、異なる繁殖地の個体群は越冬地を共有せず、個体群の交換確率は劇的に減少しがちである。